根府川駅の跨線橋

神奈川県小田原市にあるJR東海道本線・根府川駅の跨線橋は、震災復興期の鉄道建築を今に伝える貴重な構造物である。1923年(大正12年)9月1日、関東大震災により発生した大規模な地すべりによって、根府川駅の駅舎やホームは進入中の列車とともに海中に没し、多くの犠牲者を出す大惨事となった。駅は翌年以降に再建され、現在の跨線橋もその復興過程で整備されたとされる。構造は鉄骨リベット組みで、溶接が一般化する以前の工法を用いており、大正末期から昭和初期の標準的な国鉄設計の特徴をよく残している。階段側面の壁には木製板が用いられ、鉄と木を併用した当時の意匠を今も確認できる。長年にわたり補修を重ねながら使用され続けており、震災復興期の鉄道建築の変遷を伝える存在となっている。

「海が見える跨線橋」としても鉄道ファンや写真愛好家に広く知られ、眼下に広がる線路越しに相模湾の雄大な景色が望め、晴天時には遠く伊豆半島や真鶴半島の稜線まで見渡せる。駅構内の跨線橋から海を望める場所は全国的にも珍しく、その眺望は根府川駅を象徴する風景として多くの人に親しまれている。

根府川駅 跨線橋からの光景写真
跨線橋からの眺め
根府川駅 跨線橋からの光景写真
跨線橋からの眺め
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