白金桟道橋 / 山手線

白金桟道橋(しろかねさんどうばし)は1926年(昭和元年)に建設された、東京都品川区上大崎に位置する跨線橋である。JR山手線および山手貨物線(埼京線・湘南新宿ライン)の線路をまたぐ構造で、現在も地域の生活道として利用されている。橋の形式は上路固定リブアーチ橋で、特徴は鉄道の古レールを主要構造材として再利用している点にある。

当時は資材の調達が困難だったため、既存の鉄道部材を転用することが経済的かつ実用的な設計手法として採用された。この工夫は、日本の近代化に伴う鉄道網拡大を支え、限られた資源を有効に活用した時代背景を反映している。

現在、白金桟道橋は築後約100年を経た今も堅牢な姿を保っている。単なる交通インフラにとどまらず、昭和初期の鉄道土木技術を伝える重要な産業遺産として高く評価されている。都市化が進む東京において、こうした古い鉄道構造物が現役で使用され続けていることは貴重であり、歴史的景観の中に過去の技術と記憶を刻み続ける存在となっている。

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