東京モノレール 1000形

東京モノレール1000形は、1989年(平成元年)にデビューした車両である。それまでの車両イメージを一新する斬新なデザインとカラーリングで登場し、長きにわたり東京モノレールの主力として活躍してきた。

最大の特徴は、当時の日本のモノレール車両では珍しかったアルミニウム合金製の車体を全面的に採用し、大幅な軽量化や耐久性の向上を図った点である。加えて、東京モノレールの車両では初となる全車両冷房化や現代的な内装への刷新、視界の広い大型側窓の設置により、従来車両から大きく進化した。

多彩なラッピング車両としても活躍。特に「ポケモンモノレール」は、車内外に人気キャラクターが描かれ、子どもたちから絶大な人気を博した。そのほか、航空会社とのタイアップなど、その時々の東京を彩るキャンバスとしての役割も果たしてきた。

外観面では、後継の10000形導入により1000形の置き換えが進むなか、一部編成に登場当時の姿を再現した特別な復刻塗装が施された。また、外観は従来のイメージを保ちながらも、内装や設備を最新仕様に刷新した編成もあり、「見た目は1000形、中身は最新鋭」というユニークな存在として注目されている。

デビューから30年以上が経過し、置き換えにより数を減らしつつあるが、更新車を含め一部の編成は今なお現役で、浜松町と羽田空港を結んで走り続けている。東京モノレールの冷房化と近代化を牽引した立役者であり、時には子どもたちの夢を乗せ、時には奇跡の復活を遂げた1000形は、東京の風景を語る上で欠かすことのできない名車両である。

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