... 知人のYukariさんによる「ウミウシ」に関するコラムです(^^)

#002 ウデフリツノザヤウミウシ

 さて、今でこそかなりのウミウシ好きの私ですが、最初にウミウシを見たのはいつだったのでしょう?
 ログブックを遡って見てみると、9本目の大瀬崎・先端でのダイビングにに「サキシマミノウミウシ(伊豆によくいる)」との記述があります。さらに12本目の伊豆海洋公園でのダイビングに「ミレニアムマツカサウミウシ」との記述もあります。・・・が、全く憶えてません。サキシマミノウミウシにはその後何度も出会っており、写真もたくさん撮っていますが、今、ミレニアムマツカサウミウシを見たら「はじめて見た〜」と感動する事でしょう(^^ゞ

 最初に自分で意識して(見たいと思って)ウミウシを見たのは、ウミウシブームの火付け役(?)とも言えるウデフリツノザヤウミウシでした。何故これが人気だったのかというと、その色合い・姿形が「ピカチュウ」に似ているからです。黄色い体とそこから出ている腕のような部分の先端が黒っぽくなっているウミウシです。私もそういう理由で知っていたから見たかったのでした。

 ウデフリツノザヤウミウシは、『裸鰓目(らさいもく)・ドーリス亜目・フジタウミウシ科』に分類されるウミウシです。学名はThecacera pacifica というらしいです。 ピカチュウに似ているという事もあって、馴染みやすいですし、大きさも3〜4cm程度なので比較的見やすいのでウミウシ初心者にはオススメといえます(勝手に決めるな?笑)。
 3〜4cmというと小さい気がすると思いますが、ウミウシは1cmに満たない大きさのものも多いですし、水中では陸上より物が大きく見えるので見やすいんです。それに、最初に書いたようにあまり動き回る事がないので、その程度の大きさで充分何だと思います。

>ウミウシ写真<

 これが、最初に見たウデフリツノザヤウミウシです。
 なんとなく、色合いがピカチュウに似ているというのはわかるような気がしませんか??
 2000年11月23日 大瀬崎 大川下〜一本松の辺りで見ました。26本目のダイビングです。
 この時は、初めてのドライスーツ(レンタル)で、完全水没していたのでしたが、そんな事気にならないほどこのウミウシを見たときは嬉しかったです。上がってからガイドさんに「嬉しそうだったねぇ〜」と言われたぐらいでしたから。きっとマスクの下でレギュレータをくわえてニヤニヤしてたんじゃないかと思います(嬉しいもの見ると、水中でもニヤニヤしたり「おぉ〜」とか言っちゃったりする事がよくあります・・・)。しかも、この時ウミウシの正面に行くことが出来ずに、腕をぐぐ〜っと伸ばして液晶を横目で見ながら撮影していたのでした。今では考えられない無理な体勢です。要するにダイビングの技術がかなり未熟だったんでしょう。冷静に考えると、そんな体勢で撮ったのにそこそこ見られる写真にしてくれてしまう、デジカメのオートフォーカスってスゴイですよね(^^ゞ


>ウミウシ写真<

 これが2度目の遭遇時です。
 2002年2月3日 伊豆海洋公園 一の根付近で見ました。
 記念すべき100本ダイブ直前の99本目のダイビングです。
 この時はウミウシ三昧のダイビングだったのですが、こいつは緑色の海藻(?)の上にいて、色合いがとてもキレイでした。キレイだったので、もっと「ピカチュウ」らしく見えるようにいろいろと努力してみたのですが、全てピンボケだったりと失敗でした。この頃からですかね、本格的に「上手く写真が撮りたいな」と思い始めたのは・・・ 今までは、ログ付けの為の記録としての意味合いが強かった私の写真ですが、この頃がカメラに対する「第1の意識改革」だったのでしょう。そういう意味でもこの2度目の出会いは重要だったわけです(笑)
 話がウミウシと違う方向に行ってしまいましたが・・・


>ウミウシ写真<

 そしてこれが3度目の遭遇。
 2002年11月5日 沖縄本島 山田ポイントで見ました。通算145本目のダイビングでした。
 実はこの時、ここのポイントの目玉的な存在になっていました。
 このウデフリツノザヤウミウシは、伊豆辺りでは比較的多く見られていますが、沖縄ではかなり珍しいものなのです。あまり水温の高い海域に住むウミウシではないようです。 この写真は沖縄の割りに暗い感じで映っていると思いますが、漁礁となているロープの束の奥の方に居たのでストロボの光を当てるのにかなり苦労しました。ただ、今までで一番良く観察できました。
 この写真の下のほうに見えている先端が黒くなっているとげ(?)のようなものが「触覚」です。そして体の真ん中辺りにある黒い毛が固まって生えている様な部分が「鰓(えら)」です。触覚がある部分が前ということになるんでしょうか?動く時にはそっち側に進んでいきますので。
 写真は動かないのでわからないと思いますが、このウミウシはよく、5本ある腕のような部分(先端が青と黒の部分)をフリフリしています。だから「"ウデフリ"ツノザヤウミウシ」と言うんでしょうかね・・・


 私はこの写真を撮った3回しか見ていませんが、伊豆では大瀬崎・伊豆海洋公園・安良里などいろいろな場所で出てると聞く事があるので、見たいと思えば比較的見やすいウミウシなのかもしれません。
 そうそう最後に一言(?)。伊豆の場合、冬の方がウミウシが増えてくるシーズンなのでウミウシが見たいという人は冬の伊豆で潜りましょう!

続く・・


◎Yukari's Room
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